書評『フィジカル大全 : 読んで、見て、聴いて、身体診察を完全マスター』
徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。
書名:『フィジカル大全 : 読んで、見て、聴いて、身体診察を完全マスター』
編集: 石井大太,徳田安春
出版社: 医学書院
「聴診器を胸にあててくれたのは久しぶり」と患者さんから言われることが時にあり驚いてしまう。よく聞いてみると、内科外来の再診で触診、打診、聴診等を省略し、いつも問診だけで終了というのだ。 CT、MRIなどの検査機器が発達した現在でも、これらは常に利用可能とは限らない。先人たちが継承してきた知見を基に、五感を研ぎ澄まして身体診察から得られる情報を活用する必要がある。 身体所見の教科書として「サパイラ 身体診察のアートサイエンス」、「ベイツ診察法」や「Dr.ウィリス ベッドサイド診断」が有名だが、本書は画像がカラーでわかりやすく、動画も豊富なため、これらよりハードル低く通読できる。冷汗の機序にカテコラミンの関与など、ベテラン医師にとっても新しい知見を得ること受けあいだ。
9月17日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。ぜひ手に取ってご覧ください。