書評『沙林 偽りの王国』

徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。


 
 
 

書名:『沙林 偽りの王国』 
著者:帚木 蓬生
出版社:新潮社


 

大きな傷跡を残したサリン事件。1994年に松本で、1995年東京の地下鉄で起こった。毒物事件が発生するたびにマスコミや警察から意見を求められるほど薬物中毒に詳しい沢井教授が主人公だ。サリン以外にもイリペット(マスタードガス)、ホスゲン、VX(サリンより強力)も別の場面で用いられたという。沢井教授により詳細に記載された意見書からは被害者の病状が鮮やかに脳裏に浮かぶ。

その他、九州大学での衛生学の講義内容、裁判所での証人召喚の様子も興味深く読ませる。本書は小説というよりノンフィクションそのもので、後世に伝えるべき事件記録となる書である。


4月26日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのおすすめコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。ぜひ手に取ってご覧ください。  

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