徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。
書名:『介護格差』
著者: 結城 康博
出版社: 岩波書店
1990年代までの在宅介護は主に主婦層で担われ、在宅で看られなければ老人病院などへの入院により介護施設機能の代用が行われていた。その後、高齢者人口の増加や介護ニーズの増大に伴い、家族の負担を軽減し「介護を社会全体で支える」目的で、2000年4月より介護保険制度がスタートした。現在では、介護総費用は当初の約4倍に膨らみ、制度をどう維持するのかが大きな課題となっている。
安心して介護生活を送れるか否かは情報次第とのことだ。例えば、日頃から家族を含めた介護保険制度の仕組みの学習が必要だ。また厚労省による「介護サービス情報制度」の閲覧や住居者や職員の雰囲気確認を含めた見学による介護施設の情報入手が欠かせない。それに加えて、間違わない介護施設の選び方(外部との交流、介護職員の離職率、人員配置)も示されている。
70歳を過ぎると、介護生活は突然やってくる。介護準備を始める上で、介護サービス提供の現状や課題を教えてくれる本書はお勧めだ。
10月8日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。ぜひ手に取ってご覧ください。