徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。
書名:『物語 遺伝学の歴史 – メンデルからDNA、ゲノム編集まで』
著者:平野 博之
出版社: 中央公論新社
本書の前半では遺伝学の創設者であるメンデル、染色体地図を作成したモーガン、遺伝子が染色体を動くことを発見したマクリントック、生化学遺伝学を確立したビードルの研究の足跡をわかりやすく紹介している。
特にモーガンは染色体を真珠のネックレスに例え、個々の遺伝子である真珠の順序は決まっており場所を変えることができないと説明した。マクリントックの発見は、真珠のネックレスの紐を切って、ある真珠を他の位置に移し、その紐をまたきれいにつなぐことを意味するのだ。
後半はDNAの構造解明、遺伝暗号の解読、遺伝子の複製、エピジェネティックスやゲノム編集などについて解説している。
遺伝学の解説書は読みづらいことが多いが、分子遺伝学の手法を用いて研究を進めてきた私にとって、本書は肩肘張らずに読め、遺伝学のさらなる理解につながった。
2月6日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。
ぜひ手に取ってご覧ください。