書評『感染症の歴史学』

徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。

書名:『感染症の歴史学』
著者: 飯島 渉
出版社: 岩波書店

感染症は人類史の中で最も大きな死因だったが、20世紀後半になるとワクチン開発や抗生物質の発見により感染症の抑圧に成功した。学生時代に講義の中で感染症はもはや脅威で無くなったと聞いたが、これは誤りだった。エイズなどの新興感染症が次々と登場したのだ。
本書では多くの人々の生命を奪い、暮らしに大きな影響を及ぼした新型コロナ、天然痘(ウイルス)、ペスト(細菌)、マラリア(原虫)を取り上げている。
我が国における種痘(牛痘)に先駆けての人痘の試行、1894年以後のペストの小規模発生、第二次世界大戦前の三日熱マラリアの全国至る所での流行はあまり知られていない。
厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議の提言(2010年)は新型コロナ対策にほとんど活用されなかったとのこと。次の新興感染症に対しては新型コロナへの教訓を必ず生かす必要がある。

3月7日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。
ぜひ手に取ってご覧ください。

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