書評『教養としての上級語彙2 : 日本語を豊かにするための270語』

徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。

書名:『教養としての上級語彙2 : 日本語を豊かにするための270語』
著者: 宮崎 哲弥
出版社: 新潮社

漢字の読み間違いは、麻生元総理や安倍元総理に限らず誰でも起こしてしまう。
安住アナウンサーも「慧眼(けいがん)」を「すいがん」と読むと思い込んでいたため放送中に間違ってしまったという。
戦後に読み仮名を無くす方向に新聞や出版界が進み、この対応が語彙の貧困化を惹起したことが、この読み間違いの原因の一つだ。戦前は読み仮名が通常化していたため、子どもも大人の本を読め、豊かな語彙力を養えたのだ。一般的に、幼い頃から読書習慣が身についている者はボキャブラリーが豊富だそうだ。
本書は、頻繁には使用されないが日常語の範疇に属する「上級語彙」の意味を説明するのみならず、その用例や間違い易い理由が示されており理解しやすい。さらに、どこから読んでも知的好奇心を満たしてくれるとともに、自分の勘違いを気づかせてくれる。

11月1日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。ぜひ手に取ってご覧ください。

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