書評『「がん」はどうやって治すのか―科学に基づく「最良の治療」を知る』

徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。

書名:『「がん」はどうやって治すのか―科学に基づく「最良の治療」を知る』
著者: 国立がん研究センター (編集)
出版社: 講談社

「がん」のネット検索で信頼できるサイトは約10%だそうで、正しい情報を見抜くことが必要だ。この点で、本書はがん治療について、わかりやすくまとめており参考になる。
また、誤解されているのが「標準治療」という言葉。「標準治療」とは、並の治療という意味でなく、現在利用できる最良の治療のことで、健康保険が適用できる。「先進医療」が最高の治療と捉えられがちだが、開発途上の治療法という認識が必要だ。

30数年前に国立がんセンター研究所(当時の名称)で、がん遺伝子・がん抑制遺伝子研究の黎明期を過ごしたが、現在ではコンパニオン診断(がん細胞の特定の遺伝子変異やタンパク質発現の有無を検査)やがん遺伝子パネル検査が欠かせない検査となっていることに感慨を覚える。

2月21日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。
ぜひ手に取ってご覧ください。

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