書評『集中講義! おなかの身体診察 : フィジカル&腹診で腹部症状に立ち向かえ』
徳島大学附属図書館のブログに寄稿しました。おすすめの本をご紹介します。
書名:『集中講義! おなかの身体診察 : フィジカル&腹診で腹部症状に立ち向かえ』
著者: 中野弘康
出版社: 医学書院
腹痛患者に安易にCT検査、超音波をオーダーしていないだろうか。病歴とバイタルサインから疾患を想起した後、特異度の高い身体所見を見出すことが重要で、画像診断は診断確定のために実施することを勧めている。 例に挙げると、急性虫垂炎は、腹痛(内臓痛である心窩部痛)→食欲低下・嘔気→圧痛(右下腹部に限局する体性痛)→発熱→白血球上昇の順で起き、この順番が大切という。一方、機能性消化管障害などの慢性の腹痛には、漢方での腹診の導入が診断に重宝する。コラムも充実しており、「漢方の使い方―general appearanceと漢方」や「不定愁訴に隠れた貧血に介入する」が役に立つ。
本書においては、豊富な写真や動画を参考にしながら、身体所見のポイントや診察のコツが取得できる。
6月17日より、徳島大学附属図書館蔵本分館1階ホールのMy Recommendationsコーナーに展示されています(学外者も利用できます)。ぜひ手に取ってご覧ください。